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あらすじ
長きに渡りこの国に存在する名香(香の男)に危機が迫っていた。
その香はたやすく触れることのできない気高き存在。だがその名香たちが次々と姿を消す。——名香殺しであった。
男たちは己の香りを守るため、名を捨て行方をくらまし故に香りが消える。
だが、どこへ逃げようともその足跡は香りを残す。
時は慶応。香の男たちが江戸にいるという噂が流れたのは少し前のこと。
香の男が己の香でもてなしをするという前代未聞の店の存在に、江戸の女たちは心を躍らせた。
なぜ男たちがこの江戸にいるのかは定かではない。
香。そのささめきは甘く、心をもてあそぶ。
そのうつつは、知らぬが仏。
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