本乃編集長のばーすでぃほんのまえ♪やっぱり声劇?

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本乃編集長のばーすでぃほんのまえ♪やっぱり声劇?

 「ハッピーバースデー!!」  クラッカーの音。豪華なケーキ。温かな料理。プレゼントの箱。本乃編集長のバースデーパーティ。 「みんなありがとーー」  至って平和な誕生会。伊織先生のスタジオのスタッフがそれぞれプレゼントを渡し終わってから伊織先生が待ってましたと口を開く。 「さて、本乃編集長。今日はみんなで本乃編集長のお願いを聞こう。編集長ともなればありきたりなプレゼントなどつまらないだろう? 何でもいいぞ」  全員がゴクリと息を呑む。あんまり無理じゃないのがいーなーと。 「なら」  本乃編集長はそう言ってスマホを手に取る。 「このウェブ小説の声劇やってくれないかい? 誕プレで書いてもらったんだけど、その頃と今のこのサイトのアカウントが違うからさ。ちょっと懐かしんでみたいんだ」  全員が本乃編集長のスマホを覗き込む。そのタイトルは『千頁の魔法の書』とある。 「へぇ。作者の名前はよく聞くなぁ」  げたんわくんが感慨深げに呟く。作者はつるぺったん(汗)の作者ですから。 「配役は?」 「もちろん本乃編集長が主役でしょ? 本人だし」  瑠璃くんの一言に香多くんがすかさず畳み掛ける。 「でも台詞あるの、雪田って人と龍だけでしょ?」 「私がやる! 龍をやる!」  珍しく伊織先生が手を上げる。  瞬間、皆が尻込みする。他のメンバーならともかく伊織先生と劇だと? と。 「あーなら私が雪田をやろう」  挙手したのは親父。全員の血の気が引いた。 「まぁまぁ。二作目もあるから」  本乃編集長は別のページを皆に見せる。 「本当だ。ACT2がある……」 「しかし女の子だな。次の依頼人は。やはりほんもの女子のほうが」  良くんの言葉にタッくんが続ける。 「ならばみんなが出演できるACT3を考えてみては?」 五丁目さんの提案に全員がおーと声をあげた。 「それいいな!」  げたんわくんが叫び全員頷く。
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