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条件を整えるので後日改めて、と辞去しようとした。
「まだ要件は終わってない」
マフィアは引き留めた。ロボット犬の飼い主が出てきた。
縮れ毛で浅黒い小男だ。
「あんたは?」
「僕はタンカーだ。」
いきなりの業界用語にナマムギは驚く。彼はキーパーソンだ。
量子薬膳学において風水は重要な位置を占める。世界は陰陽が折衷しているように言われるがそれは間違いだ。実際のところ伯仲している。決して交わらず、均衡もせずけん制し合っている。そして両者自身も完全に陰陽ではない。それを表すのが小さな丸、タンカーだ。量子薬膳学の世界観は西洋的な人間原理ではない。主観を握るタンカーが要る。
彼はマフィアから白茶入りのペットボトルを受け取るとナマムギに渡した。
「どうして?」
「僕は“この場所”を知りたいんだ。」
タンカーはグーグルマップの一点を示した。ゲンちゃんの遺棄現場から徒歩五分の距離だ。
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