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「あ、白太が寝ちゃいそう。ねえ、この子さ。もうウチで飼わない?」
「え?俺は構わないけど、世話大変じゃないか?」
「みんなでやればいいでしょ。私は昔実家でも飼ってたことあるし、何とかなるわよ」
「そうか?じゃあ~」
幹也は私のイスの下に手を伸ばし、眠そうな白太の身体を撫でてやった。
「うちの子になるか、白太!」
「え?本当ですかにゃ!?」
「うん。そろそろ出会ってひと月経つし?もう家族みたいなもんだし」
「ありがとう…パパさんママさん。名前が白太というのは安易で少し笑えますが…嫌いじゃないです…むにゃむにゃ」
一瞬首を上げて目を見開いた白太だったが、睡魔が勝ったのかそのまま目を閉じて眠ってしまった。
最後の一言は余計な気がするが、ご愛敬ということで。
あんた、猫で良かったわね。
「じゃ、決まりね♪真希と誠も喜ぶわ。明日から諸々手続きしないとね」
私は背伸びをしてから腰を上げて、空になった皿や空き缶を片付け始めた。
「だな。あ、片付けなら一緒に…」
同じく片付けを手伝おうとした幹也だったが、私が片付け同時進行で飲み食いしていたのであまりやることが無い。
すぐに手持無沙汰になって苦笑いする。
「じゃあ、俺は戸締り確認してくる」
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