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2曲目『桂冠詩人に寄せる歌~燕よ、燕』A・テニソンより
燕よ燕、
今年もお前は やってきた
彼女の家の 軒下(のきした)へ
僕は 言えないまま過ごす
募る(つのる)思いの ひとかけら
燕よ燕、
どうしてお前は さえずるの
こよなく陽気な メロディを
僕は喉まで 出かかった
恋の歌さえ 歌えない
燕よ燕、
お前が翼に乗せるのは
とどまることなき 冒険心
彼女の胸へと 舞い込む勇気
僕にもあればと 願うだけ
黄金(こがね)の森へと 連れてって
愛の鎧(よろい)を まとった僕を
まだ恥じらいは あるけれど
勇気を出して 囁こう
初夏の香りの この恋を
燕よ燕、
かつてお前を 抱きしめた
あの柔らかな 白き胸
まだ見ぬ彼女の 指先は
トネリコよりも 甘美な小枝
燕よ燕、
お前の歌が この僕に
くれた 幾万もの勇気
僕は今から 告げに行く
彼女に 幾万(いくまん)もの愛を
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