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ズバリ。と人差し指を立てて、姿勢を正す。
「いつ切れるか、誰にも分からないんだよ。厄介だよね。今日切れるのか明日切れるのか。はたまた百年後なのか。神様しか知らない」
その人差し指をそのまま胸にあてて。
「今は……よかった。僕の電池、動いてる」
その仕草を真似るように、皆も胸に手をあてた。
「だからもったいない使い方をしちゃうんだね。これが電池の切れる前夜だって知っていたら、絶対にそんな使い方しないのに。僕たちはそれを知らないから、スイッチ入れたまんま、ぼけっとしたりしちゃう。まあ、たまにはそれも、いいと思うけど」
エレン先生は児童ひとりひとりの顔を丁寧に見て、最後、一番奥の席に座っている四年生の僕と目を合わせた。
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