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その後、小室は別の病院で診察を受けるのだが、そこでも小室は同様の言葉を浴びせられた。
そして、病院を数軒回った結果、小室はようやく自身の主張に同調する医者から治療を受けられる事となった。
が、「ノーマスク、ノーワクチン」を是とした医者の治療で症状が改善するハズが無く、小室の体調は日増しに悪化していった。
その後、小室の体調が悪化するのと反比例する形で、「新型おたふく風邪」の感染者も日を追うごとに激減していった。
コレは、紛れもなく「ワクチン接種」と「人流抑制」を推し進めた結果なのだが、小室は「僕の主張が正しかったからだ」と、現実を見ようとはしなかった。
もはや、カルト的集団となっていた小室の支持者である「コムロック」は、小室に代わって「ノーマスク、ノーワクチン」の正統性を訴え続けていた。
しかし、その旗頭である小室はもはや立ち上がる体力をも無くしており、亡くなるのは時間の問題となっていた。
そして、「新型おたふく風邪」によって顔がリスのように膨らみ、肺も炎症で真っ白となった時、小室は息を引き取った。
息も絶え絶えで、小室が最後に発した言葉は「僕は正しい」であった。
言わば、小室は自身の正義と主張に殉じて死んでいったのだ。
が、小室のその死に顔は、自身が論敵と指定し批判をした専門家への怒りからか、とても安らぎに満ちたモノではなく、憎悪に溢れた表情であったという。
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