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と、まあ、以上が俺の平均的な一日だ。
登校途中に酒匂と出くわし、学校に行き、授業を受け、部活に励んで、下校途中にまた酒匂と顔を合わせる。
もちろん絶対にそうというわけじゃない。特に待ち合わせしているわけじゃないから、タイミングがあわない日の登下校は別々だ。
この日がまさにそうで、今朝は酒匂の足音が聞こえてこなかった。
おそらく寝坊でもしたんだろう。
ってことは、今頃駅まで猛ダッシュしてんだろうな。
そんなことを考えながら、俺はメッセージアプリをたちあげた。
──「寝坊か?」
既読がついたのは、およそ5分後。
──「最悪。目覚まし鳴らなかった」
──「でもギリギリ間に合いそう」
じゃあ、問題ねーな。
俺はあくびをすると、電車の揺れに身を任せた。
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