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「いい?シャルルちゃん。アナタに悪気がなくても向こうが納得してくれるとは限らないんだから。何時どこで恨みを買うか分からないんだからね」
「あい。あいっ」
「それに泣いて謝っても許してくれない人だっているのよ?謝罪の言葉じゃなくてただただ怒りをぶつけようとしてくるような輩が」
「ふぇぇっ」
「奴らはね、ひたすらに追い詰めてくるのよ。そう、壊れるまでね」
──あ、あの、そのくらいでどうか。出てはいけないものが出ちゃいそうです。
「あの、アリサ。もうそのくらいで」
「えっ?まだまだ伝えていないことがあるのだけど」
「それはまた別の機会で。シャルルちゃんがもう限界だから」
「──ぁぅ」
「あぁっ!?ご、ごめんねシャルルちゃん」
少し湿っている気がしました……
「ごめんなさい。お姉さん少し言い過ぎたわ」
「ゔーっ」
「本当にごめんね。ほら、シャルルちゃん。約束通り美味しいものを食べましょう?」
むむむ。食べ物なんかで許してあげないんだからっ。
「来たよ、シャルルちゃん。どうかしら?見た目もすごいキレイでしょ」
っ。色鮮やかでとっても美味しそうなフルーツタルト。
マンゴーりんごマスカットいちご。あとは何かな?メロン?パイナップル?
ふへへへへ。
「どうぞ。シャルルちゃんのものだからね」
「ほぇ?わたし一人でいーの?」
「うん。私もちょっと言い過ぎたかなって」
んー。そりゃぁね、こんなご馳走喜んでいただきたいところだけどさ。
さすがに一人で食べるのは気が引けるよ。ちっこい私に似合わないほど立派なホールサイズだし。
美人な二人の微笑みに見つめられながら食べるのなんて恥ずかしすぎる。
「えと、アリサお姉ちゃんも一緒に食べよ?」
「えっ?」
「マオお姉ちゃんも。おいしーのにひとり占めしちゃ、もったいないから」
「シャルルちゃん」
「ねっ?」
はい。お姉ちゃんたち、お手手出して。
可愛い妹のお願い、聞いてくれるよね?
「全くもう。本当はもっと言ってあげなきゃって思っていたのに」
「案ずるよりも、だね。もしもの時なんて私達がいる限り来させやしないよ」
「ふふっ。そうね」
何の話?もぅ、先に食べちゃうよ?
「「いただきます」」
「よし食べよっ。シャルルちゃん、はいあーん」
「ふぇ?んっ。あーん」
「……ずるい。私からも、あーん」
「むぐっ。もぐもぐ、ごっくん。あーん」
美味しいよ?とっても美味しいの。
でもせっかくだからもっと味わって食べたいかなって。
だからねお姉ちゃん。二人とも大好きだから、どっちが良いなんて言えないくらい大好きだからね?
みんなで仲良く食べよ。こうしてずーっとお姉ちゃんたちと一緒にいられたらいいな。
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