7章

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 篠宮夫妻は長年緋宮学園で先生をやってきたのもあり、上と懇意(こんい)にしていてもおかしくない。生徒や他の教職員にどう説明したか分からない。他の教職員や生徒達は薄々気づいていたが、黙っていたのだろう。もしくは口止めしていたのだろう。 「緋宮学園の掲示板によると、篠宮朱美がお局的ポジションで他の先生は逆らえない感じと。生徒からもよく思われてなかったそうです。篠宮基成も同様ですね」 「坂東遥斗が緋宮で先生できたのも、あの夫婦が呼んだって書いてあります」  みみずくの説明に「あっ、やっぱり」とすずらんとすいせんは納得する。 「まー、篠宮夫妻もクビでしょうね。娘のプライベートなこととはいえ、かなり騒ぎが起きたんですし。それに、日頃から評判よろしくないのもあったのでしょう。まぁお気の毒に」  すいせんは笑いをこらえながら手を叩いた。  高校時代の理不尽な押し付けは未だに忘れない。あの一件で私は、学校に携帯を持っていけなくなった。先生に散々説明したのに。  あのとき、生徒手帳に先生から許可もらったページだけ破り捨てられていた。しかもお手洗いのゴミ箱から見つかった。もう修復できる状況ではなかった。
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