7章

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「花奈ちゃんを探してる最中、七つ星建設ネットワークやカミさんのご近所ネットワークとかいろいろ駆使したけど、見つからんくてな。でもな、菱村七波が男の人を日常的に連れている話や花奈ちゃんに興味なさそうな話を耳にしたよ。あとよく女の人とランチしている姿とかな。それより、俺の息子を浮気相手にしたこと絶対許さん」  カネさんの鼻息が荒くなる。  花奈が昴の元へ戻ったとき、ご近所さんに紛れ込んで「よくも俺の息子を昴の浮気相手にしやがって!」と七波に直接言いに行った。彼女は謝罪せず「女性に間違えられるような見た目をするから悪い。やっぱり建築という底辺のお仕事の人は荒いのですね」と大声で笑いながら開き直った。  カネさんは殴りそうだったが、相手を煽るだけなのでこらえた。 「昴があの人によく仕事を馬鹿にされると言っていたんだけど、本当だったよ。あの家のリノベーションうちがしたのにな」  あの家というのは菱村七波と坂東遥斗が花奈を連れて行った家のことである。坂東家の別宅だ。  リノベーションした業者を目の前で罵倒する度胸は感心ものである。 「菱村七波や篠宮家から嫌がらせはありませんか?」
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