7章

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「ええ、大丈夫です。実は近いうちに実家に戻るつもりです。花奈は転校する形にになりますが。もちろん住所は教えないつもりです。なんたって、彼女が蛇蝎のごとく嫌ってる私の実家ですからね。近づくことないでしょう。元妻や篠宮家は働き口なくて困ってるそうですがね。散々バカにしてきた報いかもしれませんね」  昴の顔は最初に来た頃より表情が穏やかというか晴れやかになっていた。 「よろず屋ななつ星が人探しや浮気調査が得意ってちらっと聞いてたけど、本当だったんだな。こりゃたまげた。カミさんに調査されないようにしなきゃ」  豪快に笑うカネさんにほかも釣られて笑う。 「後ろめたいことなければ大丈夫よ! ねっ?」 「そうですね。カネさんとこは大丈夫でしょう。あるとしたら、息子さんの彼女の素性調査ぐらいかしら?」 「それは大丈夫だ。うちも知ってる子だから安心しな」  どや顔モードになるカネさん。隣で昴が小さく笑う。  「昴さん、これから大変でしょうが、頑張ってください。もし何かありましたら、よろず屋ななつ星にお越しください」 「はい、その時は。今回私の汚名返上にありがとうございました。これで失礼します」
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