7章

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 すずらんと大屋は二人の辞去を見送った。  ドアから緋とオレンジの夕日が差してくる。 「ほんと面白い人ね。カネさんって」  クスクス笑うすずらんに「でしょ? うちが懇意にしたくなるのはカネさんと七つ星建設の方たちの人柄よ」と大屋は得意げに返す。 「さぁ、天文堂のお菓子食べるわよ。今何時?」 「三時です。これからおやつにしましょ」  特定班と現地班のメンバーに大屋から天文堂のどらやきが配られた。もちろんききょうにも。  ききょうは天文堂のどらやきを食べるのが初めてで「どこに売ってるんですか?」と目を輝かせていた。余ったので持ち帰ることにした。  そんな姿をみたみみずくは目を細めて見守っていた。
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