終章

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 しばらくするとセキュリティ会社の人がやってきた。  セキュリティ会社の人は「ガラスが割られてますけど、どういうことですか? すぐに警察に連絡します。皆さんお怪我はありませんか?」とすぐに警察に通報した。 「こ、この人が、ふ、不法侵入を……」  戻しそうな口元を抑えながら説明する昴。顔色が悪くなりつつある。 「こ、こいつ、ここの引き戸のガラス割って入ってきたんだ!」  カネさんが震えながら彼女に指を差す。 「あれ、あの男性が持ってるのって……」  照江はライターを見て言葉に詰まった。  クリスマスケーキのろうそくを付けるために持ってきたというのは建前で、本当はここの家の引き戸をこじ開けて邪魔をするためだろう。 「さぁ、皆さんクリスマスパーティーの続きをしましょ」  彼は菱村家のリビングに火をつけると言わんばかりにライターの火をチカチカさせる。 「私たちを入れないと、言うこと聞かないとどうなるかわかってる? 花奈は私達と一緒にクリスマスパーティするのよ」  花奈は涙目で「ママやめて!」と振り絞った声で叫ぶ。 「ママの言うことを聞いたら考えてあげる」  花奈はブンブンと頭を振った。
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