終章

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「へー、逆らうんだぁー」と火をつけようとした瞬間――。  警察の方々がやってきた。 「何している!」  迫力のある声で問いただす。 「いやぁー、クリスマスパーティーに遊びに来ただけですぅ。この人達が入れてくれないから、ちょっとこれで脅かしただけよ」  薄い笑みを警察官に浮かべる彼女。隣にいる彼はライターを付けだした。 「こ、こいつら、ここに火をつけようとしてるんだ! 助けてくれ! 皆死んでしまう!」 「とりあえず署まできてもらう」  警察官はセキュリティ会社の人に「後は私達にお任せください」と告げて、帰らせた。 「な、何でよ! 私は菱村家の一員よ!」 「花奈ちゃんを俺たちに渡せ!」  警察官に連れられる彼女とその彼に、昴は「もうお前達関係ないじゃん」とボソっと呟いた。 「花奈、もう怖い人いないよ」  斉史に言われ花奈は「ほんと?」と聞き返す。 「そうだよ。パパや金本のおじさんが頑張ってくれたよ」  花奈は安堵の笑みを出した。 「とりあえず仕切り直しだな」
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