序章

1/2
前へ
/212ページ
次へ

序章

 世の中沢山の人が泣き寝入りしている。  身に覚えのないことで、悪さをした人に仕立てあげられる。  パワハラやモラハラをしている人、道徳的に反している人がのうのうと平穏な生活を手に入れている。  昔、“やんちゃ”をしていた人が、悪びれることなく、“更生”として社会に溶け込んでいる。それどころか「成功者」として持て(はや)されている。 DVや美人局(つつもたせ)ででっちあげて、平気で人の人生を潰して遊び暮らしている。  さて、これらの被害者の感情はどこへやればいいのだろうか?  やり場のない感情を押し殺して、泣き寝入りして生きている。  そんな泣き寝入りしている人に朗報(ろうほう)!  復讐代行を請け負っている業者がある――よろず屋ななつ(ぼし)だ。  七つ星駅から徒歩十分の所にある、商店街の一角にある。  パッと見は普通のカフェだと勘違いされる。  表向きは何でも屋、裏では“特定班”として、依頼人の要望により、ターゲットを追い詰めていく。社会的に抹殺する。  主な手段はネットやSNSの情報である。  何気なく投稿した写真や内容を元に、個人情報を突き止めて、“突撃班”なるグループがターゲットを追い詰める。
/212ページ

最初のコメントを投稿しよう!

64人が本棚に入れています
本棚に追加