1章

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 自分の両親が来るのも連れて行くのを嫌がった。  ――あんたの両親は他人なの。嫁が義理の両親嫌がるのは当然でしょ。  その癖、お金の援助や娘への贈り物をもらうのは当然としょっちゅう催促していた。家族なんだからと。  妻があれこれ送って欲しいと言って、両親が送ったら「こんなのいらない」とゴミ箱へ捨ててた。  娘を両親に会わせたのは片手で数えるほど。  実家に帰省するのは自分だけ。  両親は諦めている所があった。  都合の良い時だけ利用しているとしか思えなかった。  どうしてそんなに嫌がるか聞いたことがある。 『嫁いびりしてくるし、変なもの送ってくるし……』  嫁いびりって具体的にと聞くと「あれとか、これとか……」とはぐらかす。  だから妻と母には連絡を極力取らず、直接自分に連絡するようになった。  だから嫁いびりはおかしい……はず。  両親に妻をいじめてないかと聞いたら、そんなことをしていない。だいたい会ったの数回だけなのにと愚痴をいつだったか零していた。  内容を具体的に言わないからどうすればいいか分からない。
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