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最初は違った。
どちらかと言えば引っ込み思案で奥手だった私を手に入れるまで…
あなたは必死だった。
あの手この手で、そういう場所に連れて行こうと、頑張ってた…
私は根負けして…
もちろん私自身も望んで…あなたと…ついにひとつになった。
女として求められて…
あなたと身体を重ねることができて本当に幸せだった。
でも、付き合いが長くなって、いつからか…
あなたは私といること…存在…それ自体に、安らぎを覚え始めた。
好きだ…
本当に好き…
この前は愛してるって…私をベッドの上で抱きしめながら、小さく口走ったのが聞こえたよ…。
でもやっぱり、そういう行為はせずに…ただ、抱きしめられるだけ…キスだけで終わった…
今日は久々にあなたに会うから…
あなたの家に泊まる予定だから…
いつもはつけないような可愛い下着を張り切って身につけて、寝る時間を惜しんで、肌のお手入れもしてきたのに…
あなたは私に、手を出そうともしなかった…
私は、寂しくて、悲しくて…本当に泣きそうだった。
あなたは気付いてないよね…?
私はあなたに背を向けて、必死に涙を堪えた。
…私は、あなたとは違う…。
ずっと…ずっとずっと、そうだった。
「ねえ…今日は…しないの?…今日はただ…添い寝するだけなの?」
…そんなこと、
私から、聞けるはずもない。
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