AIさなえが青空の下に落としたもの

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 妻はよく言っていた。  私が亡くなったら、あなたの世話は誰がするのかしら?  俺は亭主関白だった。会社から帰ると、風呂、飯、寝る、と妻に言い続けていた気がする。  加えて、靴下がない、通帳はどこにいったと、ことあるごとに怒りちらしていた。  確かに俺の世話は大変だっただろう。自分の不手際を妻のせいにして、困らせていた。  しかし、先日、その妻があっけなく病でなくなった。  子供がいなかった俺は、親戚を呼んでひっそりと葬儀を執り行い、ようやく初七日を終えた。  いつもなら、キッチンに座ると、妻が熱いお茶を入れてくれていたのだが、今となっては、冷蔵庫のペットボトルのお茶しかない。そのお茶を取り出し、一口飲んだ後、テーブルの上に置かれた妻からの小包みに目を向けた。  白い四角い箱は、生前に妻が話していたとおりだ。  入院先のベッドの上で、俺を見つめながら、 「もし、私に何かあったら、白い箱が届きますから、使ってくださいね。」 「そんな、縁起でもないことを言うなよ。」  と話していたのがつい数時間前のようだ。
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