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あれだけ、偉そうに妻に接していたのに、いなくなると寂しいものだ。
そんな事を考えながら、白い箱をあけてみる。いったい、何だろう?
中から出てきたのは、手のひらで包める位の大きさの丸いボールのようなもの。
「なんだこれ?」
「あなた、おかえりなさい!」
いきなり、丸いボールの正面に、電気がつき、デジタル時計のようなライトがついた。
目と口のような丸が三つあらわれ、こちらをじっと見つめる。何より驚いたのは、妻の声にそっくりな事だ。
「ワタクシは、AIロボット さなえです。コレカラよろしくオネガイします。」
妻は俺がさみしがると思って、こんな贈り物を届けてきたのか!
まぁ、腐るものでもないし、置いておく分には、問題ないか・・・。
それから俺とさなえとの生活が始まった。
「明日は、7時に起きる。」
「リョウカイしました。7時ですね。明日のお天気は、雨ですので、折り畳み傘をおもちください。13時頃から雨が降り出しマス。」
なかなかに便利なさなえだ。
俺は翌朝、7時にさなえの鳴らすメロディで目覚め、降り畳み傘を持って出かける。
「ただいま。」
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