戯言を吐く前に、跪け。

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「乃衣ちゃんってほんと、可愛いよねっ!」 「はは、ありがとう」 作り笑いを返したところで今まで誰にも気づかれなかった。 結構演技が板についてきているのかなぁ。 外面だけを見てくる人を友達と思ったことはない。 昔から容姿について褒められるばかり。 可愛いという言葉を聞き飽きるほどに。 確かに女の子なら可愛いと言われれば嬉しいものだ。 それに私は自分の容姿についてちゃんと自覚している。 ぱっちりとした目にスッと通った鼻筋。白い肌に映える桜色の唇、そして長い手足。 だから妬みというものは付き物だ。 それにどんなに僻まれてもそれに太刀打ちできる図太い精神を持っている。 「なんであんたみたいな女がチヤホヤされてるわけ?」 「仕方ないじゃん。私の方が可愛いんだから」 いきなり絡まれて迷惑でしかない。 教室にいるクラスメイト達は何事かと私達2人に視線を向ける。 「は?うざ。何様なの、あんた」 高校2年生にもなってなぜ言い合いなんかをしなくちゃいけないのか。 ほんと、呆れる。
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