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深い溜息をつけば、同情の色を浮かべたクラスメイトがちらほらと視界の中に映り込んできた。
私がおかしいわけじゃないことにホッとする。
ノーメイクの私と比べて苛立ちを露わにしている高田里歩は濃いメイク顔を真っ赤にさせてきゃんきゃんと喚く。
「だって本当のことでしょ?」
可愛く首をこてんと傾げてにっこりと微笑む。
この表情ひとつで皆私の味方になってくれるから。
私ってば腹黒いなぁ、と客観的に見てもそう思う。
別に誰に八つ当たりをしたとしても別に気にしないけど、言う相手くらいはちゃんと見極めないと。
でないと相手によってはやり返されるよ?
普段は優しくて穏やかな仮面を被っていても裏はとんでもなく冷酷かもしれない。つまり、私のことだけどね。
「私よりも可愛くない女の子にそんなこと言われても、負け犬の遠吠えにしか聞こえない」
ふふっと笑いを溢せば、周りの空気はシンとなる。
「っ、鬱陶しいわね!!私の彼氏を奪っておいて!!」
「……彼氏?」
「そうよ!あんたが色目使って奪って来たんじゃない!」
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