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こわーい魔女先輩
ギャルだ不良だと言われても、この姿が好きだからしているだけ。短いスカートも第2ボタンまで開けたピンクのシャツも、緩く着ている黒のカーディガンも、茶色く染めた髪だって自分を高める要素だと思っている。
でも、世間――特に風紀委員である彼はそれを頑なに認めようとしない。
「2年C組窪田芽依! なんだその服装は!」
「げっ」
「わが校の服装規定は知っているだろう? 何度注意すれば直るんだ」
「直るわけないでしょ? これが私なんだから放っておいて!」
「おい待て!」
自販機でジュースでも買おうと教室を1歩出たらヤツはすぐに現れた。2年A組の岩山誠一郎。乱れのなく耳元がよく見える髪型に第1ボタンまでしっかりしめられた指定の白いシャツとネクタイにブレザー型の制服には一切のシワも乱れはない。
私とは真逆の典型的な風紀委員の姿をした彼はクラスが違う私を目の敵にしていて、見つけるたびにあーだこーだと文句を言ってくる。
「服装の乱れは心の乱れと言ってだな」
「はいはい、私は乱れに乱れまくってるんですよー」
「なっ」
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