秋の最大イベントそれは、、

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キラキラした顔をして、会場を普通に歩いてるけど足元は血だらけで、汚らしい様に避けて歩くマリアさんがいた。 手足は玲奈の。 それは、間違いないーー。 こないだ、飼ってる猫に引っかかれたと言う傷跡も、足の付け根に残ったままだ。 数名いたはずの女の子達の体はバラバラで 絶命していた。 選ばれ無かったってこと? 体に合わなかったのか、無惨にもバラバラで息絶えていた。 マリアさんが女の子のとこに歩いてきた。 マリアさんは終始ニコニコしていた。 その笑顔がやたら怖くて 私は逃げたかった。 だけど、顔はマリアさんでも 手足は親友の玲奈。 これ以上親友を傷つけられたくなく、私はジッ、と耐えた。 「ーートリックオアトリート。 あなたの体を、私に、、、」 小さな女の子はそう口にした。 「ーーはい、ご主人様」 小さな女の子に、跪いたマリアさん。 女の子の手の甲にキスをした。 女の子は柔らかな笑みを見せて スっ、と消えた。 あれ?、と思ったのもつかの間。 マリアさんは、すくっ、と立ち上がりこう言った。 「トリックオアトリック。 皆様の体頂きました。 バラバラになった方には、ご冥福をお祈りします。 だけどーー私だって入る体が欲しかった」 "私だって入る体が欲しかったーー" 女の子は元々幽霊だったのかも知れない。 小さな女の子だった。 小学校にいくかいかないぐらいの、小さな知恵しかない子どもだったーー。 みんな、それが分かってか。 責め立てる大人はいなかった。 言えなかった。 私も、無論ーー口に出来なかった。 「ーーーちゃんとするから大丈夫。 最後まで綺麗にするから。 ごめんね、痛かったね」 足元にバラバラになった遺体に触れた女の子。 悲しそうな瞳。 トリックオアトリックーーー。 ハロウィンの前夜祭。 まだ、ハロウィン1日前。 これからが恐怖祭の始まりに過ぎなかったんだ。
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