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「ありません」  ぴしゃりと言い放ち、秋声は鼻を鳴らした。 「今、機嫌が悪いから一銭も出さないからな」 「はは、ぴりぴりしてるねえ。いいじゃないよ、女の子の一人や二人、着いてきてもらっても。おれは大歓迎だね」 「良くないよ。このロリコン」 「ちょっと待った、おれは……」  花袋は立ち上がりかけ、視界に同士を見つけて手を上げた。 「おっと。来たみたいだよ。おーい、藤村(とうそん)くん! ……と、お嬢さん!」
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