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 頭が重い。鈍い頭痛のようだ。  足も腕も、重く痺れて動かない。 (……金縛り……?)  幼い頃から馴染みのある感覚に、伊織は溜め息をつきたくなった。  昔から、何かというとこうやって、霊に対する感受性の強い伊織に取り次ぎを頼もうとしてくる輩がいた。  自殺したOLから近所の子猫の霊まで、それはもう様々に。  今度は誰なのだろう。今朝は入学式以降、初めての登校日なのだから、あまりのんびりしてはいられない。 『…く…を……』 (あ……聞こえてきた)  伊織は耳を澄ます。微かな声は穏やかだが低く、青年のものだと感覚的に思う。
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