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 数分ほどして、戻ってきた藤村は何やら考え深げに沈黙しながらPHSをポケットにしまった。伊織は少々不安になって、藤村を見上げる。 「あの……何かあったんですか? わたしのこと……?」  藤村はこくりと頷く。花袋が湯呑に茶を注いで、藤村の前に置いた。 「まあまあ、座んなさいよ」 「うん」  藤村はきちんと正座して、今度は湯呑をじっと見つめる。 「藤村くん」  促され、藤村は顔を上げた。黒く塗りつぶされたような大きな瞳を、伊織にまっすぐと向ける。 「立花伊織さん」 「は、はい」  伊織も思わず崩していた足を正座に直し、背筋を正した。 「霊魂管理科本部へ、ご同行願います」
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