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「無茶苦茶だ……この子に権限なんてないじゃないか!」 「元からないんですよ、秋声」 「泉ッ!」  秋声が噛みつかんばかりに立ち上がる。泉はその剣幕にびくりとぬいぐるみを抱き締めたが、優しげな眉をしかめて低く叫び返した。 「この世界の者じゃないのを勝手に引き込んで掻き乱したのはそっちの部下の管理不足じゃないですか! 偉そうにキレるな!」 「……ッ」  睨みつつも秋声が沈黙すると、泉は小さく溜め息をついて力を抜いた。
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