2人が本棚に入れています
本棚に追加
神は神を創るためにこの世界に光をもたらしたのでございます。
「神を創る……?」
「おうともよ、兄者。マニュアルの1ページ目にそう書いてあるぞ」
「マジかよ。でもそんな回りくどいことしなくても神なんか作れるんじゃねえの? 我ら神だろ? 何でもできるはずだろ?」
「そんなことができたら苦労せんわ! がっはっは」
「できたぞ」
「は?」
「我が娘マリアーレだ。今作った」
「へー。あなたが私の父様。よろしく」
「は? 待て待て待て、そいつはただの人間だろ? 神なわけがない」
「でもマニュアルを呼び出せるわよ?」
美しい女神マリアーレはそう言うと、異次元から神マニュアルを取り出したのでございます。
「特にマニュアルには神を直接作る方法は書いてないようだけれど。ま、神なのだから何でもありよね」
「チートがバレたら垢BANだぞ。消すか隠すかしとけ。我は気が狂いそうだから帰るわ」
狼狽えたヤルダ様は元の世界に帰ったのでした。
「それで? 神を作ったらこの世界の役目は終わりじゃないの?」
「そうなのか? よく分からんが別に消す理由も無いし面倒だし放置しとけばいいだろ」
「ま、何でもいいわ。それより地上、明らかに生き物が居なくなってるわよ?」
「おりょ? なんでじゃ??」
「隕石や噴火により大量絶滅する場合があります。ってマニュアルには書いてあるけれど……何かした?」
「宇宙がないこの世界に隕石なんかないぞ? 噴火なんかいつものことだしなぁ」
ほんとぉ?
「いつものことだからと言って、それが原因でないとするのは早計よ。規模が大きければその分影響も大きいわ」
「とは言え勝手に激変するし。まあ適当に放置しとけば増えるだろ。我は寝る」
「まったく、ぐうたらな神様ね」
最初のコメントを投稿しよう!