遂に誕生したのはアウストラロなピテクスでした

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遂に誕生したのはアウストラロなピテクスでした

「父様、遂に登場したわよ」 「んあ?」  恐竜が絶滅し、長い冬が終わり、人類の祖先が一歩を踏み出したのです。 「毛深い人類だ! 岩落としたろ!」 「やめなさい」  マリアーレ様が岩を砕かなければ人類は誕生しなかったのかもしれません。 「なーんでい。我は破壊と創造の神、デミであるぞ?」 「ただの太陽神でしょ。この世界に居すぎておかしくなったの?」 「え、太陽神なの?」 「さあ? プロパティ開くと太陽神って書いてあるわよ」 「プロパティ?」 「ステータス画面みたいなものね。私のところには、豊穣の女神(黄昏の戦女神)って書いてあるわ」 「でもその胸は荒れ地では?」  デミ様は次の瞬間に息を引き取りました。  地雷という文字通り、地まで轟く雷がデミ様に直撃したのです。 「神って殺せるのね……」  貧乳は価値であり希少価値であると古い書物にも記載がござ 「語り手も殺せるのね……」 「おーっす、兄者……って、し、死んでる……」 「私が殺したわ」 「そうなのか。まあそのうち起き上がるぞ。リスポーンまでは少しタイムラグあるしな」 「甦るの?」 「そりゃあ、管理者権限持つやつが死んだらまずいだろう。一応、そうはならないようにできてる。マニュアルにもそう書いてある」 「そうだったかしら。まあ、死んでしまったものは仕方ないわ。煎餅でも食べて待ちましょう」  異次元から煎餅を取り出して分け合って食べ始めたのでございます。 「大体、父様は突然絶滅させようとしたり大陸半壊させたり……やる気あるのかしらね」 「あるわけがなかろう。あったらこうなってはいない」  ですよねぇ。 「語り手は復活したみたいだけど、父様はまだのようね」 「再構築に時間かかるんだろ。OSを再インストールする方が遥かに時間かかる的なアレよ」 「中身なさそうなOSだけれどね……」 「あーよく寝た」 「寝てたの?」 「ハァ……ハァ……今起きた」 「もっと寝ててもいいわよ。正直、人間以上の害悪っぽいし」 「娘辛辣ぅ! ヤルダなんとかいってやってくれよ!」 「いや事実だし……。我は帰るわ……ここに居ると気が狂いそうだ」 「ヘン! 不貞寝しちゃうもんね!」  こうしてデミ様は再び長い眠りにつかれたのでございます。
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