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遂にヤルダ様の軍勢が海を越えて東の大陸に到達しました。
東の大陸をも制覇し、デミ様と戦うつもりです。
そうはさせまいと、マリアーレ様の軍勢(ただの人間)が応戦します。
人としての力は互角、しかしドラゴンを従える西の大陸の軍勢が徐々に押し始めました。
ヤルダ軍が東の大陸の真ん中まで進んだ時、攻勢に出たのはマリアーレ様が生み出した英雄アストゥーラです。
ドラゴンすら打ち砕く力はヤルダ軍を押し返すに十分な力を持っていました。
激戦区となった大陸中央から西部は土地が平らになっていきました。これが現在のヘルツォンラント大平原となったのです。
戦況が芳しくないと見るや、ヤルダ様は直々に参戦しました。
「流石に神がでしゃばるのは間違っているのではなくて?」
「間違っているのは兄者だ!」
神の参戦により、再度形勢逆転となりました。いや普通にチートだろ。
いかにドラゴンと互角の力を持つ英雄といえども、神の力に敵うはずがありません。
またしても大陸の半分を取られました。
それならばと、マリアーレ様が出陣しました。
羽飾りのついた立派な兜に、鋭く光る三叉槍を携え、天馬プエラメンテに乗り、アストゥーラと共にヤルダ様と戦ったのです。
マリアーレ様は神をも超えた力を以てヤルダ様を痛めつけ、西の海岸まで追い詰めました。
「あなたはこの世界の神ではないのだから、私が殺したらあなたは死ぬわ。それでも、まだ戦いを続ける?」
「くっ……我は諦めんぞ!」
槍がヤルダ様の右足を貫きました。
「ぎゃああああああああ!!!」
「警告ではないわ。命令よ。今すぐ撤退して。隣の大陸に帰りなさい」
「ぐぅ……くそ……!」
槍がヤルダ様の左足を貫きました。
「ぎゃああああああああ!!! 分かった! すぐに撤退する!! だからどうか、もう刺さないでくれ!!」
ヤルダ様は西の大陸へと撤退しようとしました。
「待ちなさい。誠意の証として、黄金を作りなさい。それも、ただの黄金ではなく、水を浄化する聖なる黄金を」
「そ、それなら……ここをこうして……こうじゃ!」
ヤルダ様は両手に余るほどの巨大な黄金をマリアーレ様に渡すと、速やかに全軍を撤退させました。
金の密度って知ってる???? ((密度(室温付近) 19.32 g/cm3)) 両手に余るほどの金って200kgを軽く超えるよね????
「英雄アストゥーラ、汝はこの黄金を使って大地を流れる水を清めなさい」
「然らばズーハ川の源流、ズーハ湖の底へと投げ入れましょう。太古から、あの一帯は死の水が流れていて魚は一尾たりとも居りません」
こうして、金塊を渡されたアストゥーラはズーハを清める旅に出たのです。
これが後の英雄叙事詩アストゥーラ・リートとして語り継がれる物語となります。
「寝てたらなんか終わってた」
ねてたしねてたし。
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