第3話この世から男なんていなくなればいい

皆の視線

「専務、離れててたのが、嘘みたいに親子してますよ」

「そうか、なら、よかった」

人が多い朝のエレベーターでは、専務と玲がガードしてくれた。

階が進むにつれて、息苦しさはない。

降りる時、『姉貴が食堂に行くって言ってたから』と告げられた。

「「おはようございます」」

課に入ったけど、先輩達の視線が痛い。

「おはよう、大丈夫？」

声をかけてくれるけど・・・。

「部長、課長、昨日は休んでしまって、すみません」

謝る私に『平気よ』と言ってくれた。

あんな状況を見せてしまったから、先輩達がよそよそしいのは仕方ない。

「ほら、あなた達、謝りなさいよ」

先輩が言い出した。