過去

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両親や兄は反対した。でも私には、小さな家族だった。 生まれたことに喜んでくれたけど、同じ日に生まれた赤ちゃんが亡くなると両親も手の平を返したようにその夫婦に私の赤ちゃんを渡したの。 私の経歴にいいって・・・。 見ず知らずの人に売り渡したんです。 だから、男性を見ると恐怖心と捨てた子の罪悪感が私を襲うんです。 夢でも犯される状況が浮かんで・・・」 「自分の子の行き先は知ってるの?」 「玲、知らない。あれから両親も何も言わないから・・・」 「そ、そんなぁ・・・」 すると専務は『今でも自分の子を手元に置きたいか?』と訊ねた。 彼の子を自分の手で抱きしめたい。 だから頷くと――― 「探そう・・・未来ちゃん」 言ってくれた。
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