彼女の首の傷

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「美晴ちゃん、可愛い!」 「美晴ーこっちきて!」 「笑って!」  ファッションショーのランウェイで。テレビ番組のスタジオで。レッドカーペットで。  私は求められる。賛美される。  常に紙吹雪が舞い、スポットライトが当たる。  世界の中心は私。  ああ、幸せだ。なにもかもが心地よい。  こんな世界に比べたら、現実なんか。  いや、今までのことが、きっと夢。  うっとりしていた時。    また、あたりが明るくなった。  真っ白な世界。  全身に大きな声が響く。何を言ってるかわからない。  私はうんざりした。  また邪魔されてる。
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