神様はいませんでした

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 脚がぼうのようになってきても、影ぼうしがどんどん長くなってきても、私は祈るんをやめませんでした。落ち葉が首筋に触れても、私は声を上げず、ただただ手を合わせていました。私がなにか苦行をすることで、あんたが少しでも救われると本気で思っていました。  日が山の影すれすれまで沈んで、私の視界がぶわっと広がったとき、あ、死んだと思いました。あんたが自殺したと思ったんではなくて、かといって私自身が死んだわけでもなく、ただ漠然と、何かが死んだような気ぃしたんです。なぜか、その一瞬、そこに神様がいるとこころの深い部分が勝手に理解しました。  私はあんたを食べてしまいたかった。なに言ってるんか自分でもよくわからんけんど、私はあんたをこの身体に取り込んで、希死念慮とかそういう悪いぶぶんだけを消化して吐きだしてやりたかった。私の身体が壊れてもいいから、あんたを救いたかったんです。でも、私にはあんたにとっての救いが一体なんなのか、いつまで経ってもわかりません。それに希死念慮を悪い感情というとあんたは絶対に怒ると思う。死にたいと思うことは悪いことじゃないし、それを背負って大人になることを苦しいと思ってもいいんです。でも、私はあんたに生きたいと目を輝かせてほしいし、できるだけ苦しまずに生きていてほしい。
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