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「大丈夫、です。助かりました。ほんとうに、ありがとうございました」
「ありがとうございました」
私と江藤さんは、男性に何度もお礼を言った。
男性は、警察が来るまで店にいてくれた。
その日は、私も江藤さんもぐったりと疲れてしまった。
****
数週間後。
私は江藤さんと少し打ち解けていた。
なんとなく、以前より素敵に見える···ような気がする。
まあ好きとかそういうのじゃないけど。
江藤さんから、LINEが届いた。
「こんなん見つけた」
メッセージのあとに、1枚の画像。
それは、フリマアプリのスクリーンショット。
800円で出品されている与島春菜の写真集の画面だった。
「もちろん、あいつかはわかんないけどね笑」
私はすぐに返信した。
「私が買います!!!」
「いや、僕が買うから石田さんはいいよ笑」
「いえ、私が買うので!」
「いや、僕が」
「(野太い声)おい、警察と繋がっているぞ!」
私はクスクス笑いながら、スマートフォンの画面を眺めていた。
(完)
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