好鬼心

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 つまらないと思った。  そこで私は横に置いていた水筒を手に持って、彼女の顔にお茶をかけた。 「はい、これで怒ってくれる?」  友達は状況が理解できていないらしく何度も瞬きをした。 「えっ? どうしたの?」 「ねえ、早く怒ってよ」  私は彼女の頭に血が上ることを期待したが、 「いいよいいよ、全然気にしないから」 と慌てたようにハンカチを取り出して彼女は顔を拭った。彼女は眼鏡をかけていたのでレンズにも茶色い水滴がついている。
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