好鬼心

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「そう。じゃあ友達やめてもいいから、怒ってみて」 「できないよ……」 「なにができないの? 私、こんなにあなたに酷いことしたんだよ。怒って当然でしょう?」 「でも、できないよ。だって友達だから」 「だから友達やめてもいいよって言ってるよね。友達がいなくなることが怖いの?」  彼女が早く怒ってくれるように、私は煽るような調子で言った。 「早く怒って。記憶なくなるまで暴れてよ」 「ひっ!」  そのまま右手に持った水筒を彼女の頭の上で傾ける。蛇口のような勢いで、冷たいお茶が彼女の髪と制服にかかった。
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