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「言ったろ? 男は守られるより守りたいって思う生き物だって」
目の前にいるのは誰!? 顔かたちは司ちゃんだけど、喋り方も髪を書き上げる仕草も、全然別人なんですけど!?
「そこまで驚かなくても」
「ひゃあ!?」
いきなり手を伸ばして、あたしの涙を親指で拭うから、変な悲鳴をあげてしまった。そんなあたしを見て「くっくっくっ」と男らしく喉ぼとけを揺らして笑う司ちゃん。
「しょうがないわね、しばらくは藍の『司ちゃん』て居てあげるわ」
「……」
いつもの話し方に、気が抜けてへなへなとその場に座り込んでしまった。
あたしは、目を開けたまま夢でも見ていたんだろうか?
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