122人が本棚に入れています
本棚に追加
/63ページ
「ニコイチ、卒業ね」
視界が滲んで、もう二人を確認することも出来ない。そんなあたしの頭を、司ちゃんの温かい手が何度も撫でてくれる。
「怜は自分が男だって理解したのよ。誰かを守れる存在だって」
あたしが、ずっと守ってあげたかった。
「そして、藍はいい女になった」
「そんなの……」
どうでもいい。
「だから、これからは俺が守ってやるよ」
「ーーっ!?」
後ろから抱きしめる腕!? そして突然変わった話し方に、その腕を解いて顔を上げると、にやりと笑う司ちゃん!?
「つ、か……?」
最初のコメントを投稿しよう!