5 燃えるような劣情と思惑

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「勃ってんな」 「!ち、が……っ」 「何が違うんだ?」 「あっ、やぁ……」  制服のスラックスは普段着のズボンに比べ、生地がかなり薄い。  まだ取り出されたわけでもないのに、生地の上から掴まれただけで安西の手のひらの熱が伝わり、伝染するように俺の屹立もさらに熱く、固く勃ち上がってくる。 「邪魔だな」  苛立ったような声が聞こえたかと思うと、荒々しい手つきでベルトを外され、一息に下着ごと引き下ろされた。 「あっ」  ぶるん、と勢いよく飛び出た自身を見て、かっと羞恥が込み上げる。否定しても無駄なほど、確実に勃起していた。 「どうだ?これでも勃ってないとか言うか?」  安西が中腰になり、屹立を掴みながら俺を見上げる。  その先の方が安西に口付けられそうで、その先を想像して鼓動が暴れる。  そんなことは新田にもされたことがないし、まさか安西がするはずが。  俺が返事をする余裕さえないのを見て取ると、あろうことか、安西は先の方を咥えた。 「ひっ!ぁう……」  あまりの衝撃に、靴箱に背中を打ち付けながら高い声を上げる。  だが、無論それは序の口に過ぎなかった。  安西は俺を上目に見ながら、鈴口と裏筋を重点的に舐め回しつつも口を上下に動かし、徹底的に俺を追い詰める。 「あ、ぁあっ」  嫌だ、嫌だ、と首を振り、いつの間にか溢れた涙が俺の頬を伝うのを見ても、安西は全く止めようとしない。  ずるずるっと音がするほど先端を吸いながら、手で袋を揉み、上下に扱き、限界まで張り詰めたそれを美味しそうに喰らう。 「やだ、でるっ、はなし……っ」  流石に口の中に放つわけにはいかないと、安西の前髪をきつく掴むが、安西は口を離したりせず、目で笑った。  ーーいいから、出せ。  そう促す安西の声が聞こえたような気がした瞬間。 「ぁああっ」  俺は思い切り、安西の口の中に白濁を放っていた。  はあ、はあ、と荒く息をつきながら見下ろせば、安西はにっと笑いながら手のひらに白濁を吐き出す。  こんな時に、見たことない表情で笑うのはずるい。  そう思ったのが、思わず声に出ていたらしい。 「ずるいって、何がだ?」 「べ、つに、何でも……っ」  顔を逸らして誤魔化せば、双丘を割り開かれて息を呑む。  その後の行為は予想がついていたが、羞恥とは別に焦りが生まれた。  まずい、気づかれる。 「まっ……」  止める間もなく、潜り込んだ安西の長い指先が、入口に押し込まれた。  恐らく、通常よりは緩んでいる窄まりに。
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