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「うまっ」
思わずそう言ってしまうほど美味しい。上に飾りとして乗っているクリームとブルーベリーも、崩してしまうのが勿体ないぐらい綺麗に添えられていた。
「おかわりが欲しかったら言ってくれ」
「やった」
子供のように喜べば、安西の表情も僅かに緩む。
セフレになれと言われた直後に家に誘われ、目的はそういうことだとばかり思っていた。パンケーキを食べさせてもらえたのは嬉しいが、これではまるで……。
「なあ、安西の目的って何？」
パンケーキを平らげ、フォークを置いて安西を見る。
「目的？」
「セフレになれって言ってたけど、今度はデザート作ってあげるって、何か普通にデートみたいじゃん？それも今日はバレンタインだし」
「それはな」
安西の手が伸びてきて、俺の右手を取り、人差し指を口に含んだ。
「っ……」
驚いて手を引っ込めようとしたが、指先に歯を立てられて逃れられない。
安西の獣じみた目が俺を捕らえる。新田と初めてした時、新田から向けられた情欲とは比べものにならないほどのものを感じ、悪寒に似た震えが走る。
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