14人が本棚に入れています
本棚に追加
/23ページ
0
「っ、……んっ、」
曝け出された素肌に、男の指が這う。胸の頂きに辿り着き、そこだけ淡く色づいた箇所を抓み、捏ねられ、口から甘い喘ぎ声が漏れそうになるのを必死で堪えると、目尻に涙が滲んだ。
声、出せよと無言のまま伝えるように、男はさらなる刺激を与えるべく、勃ちあがってきた胸の突起に唇を寄せ、含み、転がす。
「ん、ん……」
嫌だと訴えるように首を振ったが、男は構わずに胸を舐めしゃぶりながら、下肢にも手を伸ばしてきた。
茂みを掻き分けられるまでもなく、既に反応し始めていた屹立。それが男の手の中で動き、形を変え、蜜を滴らせるのを感じながら、ああ、と思う。
ああ、どうして俺はこの男の取り引きに乗ってしまったのか。
何度も自分の中で繰り返された問いに、男の手の中で幾度も弾ける精が答えを返してきているようだった。
違う、決してこうなりたかったわけではない。違う、俺はただ……。
自分の否定する声も、荒波のように押し寄せる快楽に飲まれ、すぐに聞こえなくなってしまった。
最初のコメントを投稿しよう!