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「っ、……んっ、」  (さら)け出された素肌に、男の指が這う。胸の頂きに辿り着き、そこだけ淡く色づいた箇所を抓み、捏ねられ、口から甘い喘ぎ声が漏れそうになるのを必死で堪えると、目尻に涙が(にじ)んだ。  声、出せよと無言のまま伝えるように、男はさらなる刺激を与えるべく、勃ちあがってきた胸の突起に唇を寄せ、含み、転がす。 「ん、ん……」  嫌だと訴えるように首を振ったが、男は構わずに胸を舐めしゃぶりながら、下肢にも手を伸ばしてきた。  茂みを掻き分けられるまでもなく、既に反応し始めていた屹立。それが男の手の中で動き、形を変え、蜜を滴らせるのを感じながら、ああ、と思う。  ああ、どうして俺はこの男の取り引きに乗ってしまったのか。  何度も自分の中で繰り返された問いに、男の手の中で幾度も弾ける精が答えを返してきているようだった。  違う、決してこうなりたかったわけではない。違う、俺はただ……。  自分の否定する声も、荒波のように押し寄せる快楽に飲まれ、すぐに聞こえなくなってしまった。
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