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初めての温泉旅行(3)(※)
祐実の隣で膝立ちになり、祐実の頭を両手で抱えると、額に唇を落とす。瞼、鼻筋、頬を口づけを落とし、震える唇へと向かう。祐実は瞳を閉じて小沢の浴衣にしがみつく。再び唇を何度もついばまれ、緩んだ唇の間から舌が滑り込んでくる。
こんな感覚だったろうか、と祐実がうっすらと目を開く。おなじようにうっすらと目を開いている小沢と目が合い、慌てて目を閉じる。
深く、探るように舌で口のなかをかき混ぜられて、求められるままに小沢の舌の動きに合わせると、頭のうしろがしびれ、涙が出そうになる。
まるで初めてかのように心臓がうるさい。
「浴衣姿が、色っぽくて・・・。ずっと、ドキドキしてた。」
優しく囁かれて、体が熱くなる。浴衣のなかに、手が忍んでくる。
「あ、下着・・・、付けてるんだ。」
「うん、だって・・・食事の時間もあったし。」
「そうか・・・」
帯をとき、ゆっくりを浴衣をはだけさせると、祐実が今日のために選んだ下着が現れる。
「・・・きれいだ」
小沢は嬉しそうに祐実の下着姿を眺める。
「恥ずかしい、です。」
「なんで、すごい綺麗なのに。・・・もっと、見せて。」
そういって、胸を隠す祐実の手をとって下ろす。
「や・・・」
「こんな下着が、あるんだ・・・。」
小沢の手が、祐実の首、鎖骨、次に胸の谷間に落ちてくる。
「はい、このまえ、お店で見つけて・・・」
「今日のために、買った?」
祐実は黙って頷いた。小沢の顔が綻び、レースの刺繍を指でなぞる。
「せっかく綺麗なのに、ごめん。・・・もう、取っていい?」
するりと祐実の背中に手を回し、ホックを外すと、そっと肩を通して脱がせる。祐実の胸が露になる。
「あ、あの、かなり、久しぶりなので・・・」
「俺も、だけど?」
小沢は優しく微笑む。祐実は覗き込むように小沢の顔を見て呟いた。
「お、お手柔らかに、お願いします・・・」
小沢は、ペロリと唇を舐める。
「それは、保証できないな・・・」
いつもとは違う、余裕なさげな表情に祐実はゾクリとする。
小沢は、片手で頭をささえ再び口づける。もう一方の手は、祐実の胸の形を変えていく。
「久しぶりだから、我慢できないかも」
布団の上に押し倒されて、耳朶をペロリと舐められて、祐実が声を上げる。
「ひゃ・・・」
「ああ、そっか。声が、いいんだっけ。なんか言ってほしい?」
「や、だめ・・・。」
「ん?・・・遠慮しないで、言って。」
耳朶を食みながら、囁く。
「あのドラマだと、こういうとき、なんて口説くの?」
「やっ・・・」
祐実は小沢の腕に手をかけて、必死で答える。
「ドラマじゃなくて・・・、小沢さんの言葉が、聞きたいです・・・っ」
小沢がぴくりと動きを止める。
「そうか・・・。」
小沢は腕で自分の体を支えながら、押し倒した祐実の顔を正面から見つめる。
「祐実・・・好きだよ。」
そういって、もう一度唇を合わせた。小沢の言葉の破壊力に、祐実の心臓は更に跳ね上がる。体の奥が疼いてくるのがわかる。祐実のほうから舌を差し出して、小沢の舌と絡ませる。唇を離したときに目を開けると、小沢と目が合う。
「久しぶりだから・・・ゆっくりしなきゃかな。」
小沢は祐実の全身にくまなく触れ、口づけていく。祐実の肌は泡立ち、悦楽の声が漏れる。時々名前を呼ばれ、そのたびに体が跳ねる。ねっとりと焦らされて、祐実はうるんだ目で小沢を見つめる。
「小沢さん・・・もお・・・」
「何・・・?」
小沢が祐実の両胸を力強く掴む。ぴりっとした刺激に祐実が顔をしかめた次の瞬間、先端にぬるりとした感触がした。
「あっ・・・」
祐実が声を上げると、そのまま唇で吸い付き、強弱をつけて刺激する。そのたびに祐実が声を上げ、腰がびくり反応する。
「先に脱がせればよかったね」
下着に手をかけ、するりと脱がせると祐実の足を開いてその隙間に膝をつく。
「もう少し・・・」
祐実の足の間に指を滑り込ませる。
「やっ・・・」
「ちゃんと、感じてくれてる・・・?」
もう、十分すぎるくらいに濡れていて、触れらえている個所に熱が溜まっていくように熱い。小沢は、ゆっくりと、優しく触れる。追い込まれて、でも何か足りなくてせつない。
「や・・・、もぅ・・・」
祐実は頭を振って訴えるように喘ぎ、小沢の手を掴む。小沢は体を起こして祐実を見る。
「もう・・・いい?」
だまって祐実は頷く。
早く、繋がりたい。そう思ったときに、ぴり、と避妊具の袋を破る音がした。
いつのまに・・・と思っていたら、小沢と目があった。
「紳士のたしなみでしょ。」
ふっと微笑んで、小沢が祐実の膝を抱え、少しずつ中に入ってくる。すこし圧迫感があるように感じる。
嗚咽のような小刻みな声が次々とあふれてくる。自分からこんな声が出るなんて思ってもみなかった。
「ごめん、祐実がかわいくて、我慢できない・・・。一回、いってもいい?」
祐実はわけがわからず、でも小沢の言うことだからと夢中でうなづく。
苦しそうに眉間にしわを寄せ、祐実の腰を抱き寄せると、小沢の動きが止まる。
荒い息を吐き、祐実の頭を撫でながら、小沢が尋ねる。
「祐実は、未だ、満足してないよね・・・」
「・・・わ、かんない・・・です。」
本当に、わからなかったから、正直に答えた。
「わかんない、ってことは、未だ足りないってことだな。」
そういうと、荒い息遣いのまま体を起こして祐実の胸に口づける。ちゅぅっと音がして、赤い跡がつく。
「や、あの・・・」
息を整えながら、そんなことは、と言いかけたところで、足の間に指を這わされる。
「んんっ・・・」
「痛くない?」
「痛くは、ない、です・・・」
「気持ちいい?」
小沢は、祐実の耳朶、首筋、胸へと口づけを降らせながら、優しく
ゆっくりと指を這わせる。祐実は荒い息遣いのなか必死でうなづく。
もうせつなくて、もう一度小沢のものが欲しくなる。熱っぽい目で浮かれたように小沢を見ると、小沢が体を祐実の足の間へ移動させる。
「俺ばっかり、ごめんね・・・。また、ほしくなった。」
そういって、再び祐実のなかにゆっくりと入ってくる。小沢が動き始めると、祐実は小沢の腕をつかみ、逃がさないというように足を巻き付ける。
「こら・・・」
動きを止めると、ペロリと唇を舐め、祐実を見つめる。
「ちゃんと、祐実がいくまで、頑張るから。」
祐実のせつないところに指を添えられ、腰を動かされると、意識が飛びそうになる。小沢は、祐実を見下ろしながら、動きに強弱をつけていく。祐実は、あられもない姿を見られて恥ずかしい、という気持ちと、もっと乱してほしい、という気持ちが交錯して、ぎゅっと目を閉じる。
「や、い・・・」
溜まりきったせつなさが全身に広がっていく。指を絡ませた小沢の手をぎゅっと握り、全身に広がり切った後、ふっと力が抜けていく。その様子をみた小沢が、動くスピードを上げる。
「あ、だ、め、もう・・・」
おかしくなる、と心のなかでつぶやく。
「祐実・・・っ」
どんと最奥をつかれて、小沢の動きがゆっくりになり、止まる。悲しくないのに、涙がこぼれた。
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