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おうちデート(3)(※)
小沢がバスタオルで髪の毛を拭きながら、脱衣所から出てきた。台所へ向かい、冷蔵庫から炭酸水のペットボトルを取り出し、開けて一口、二口と飲むと、祐実の隣に座る。白のTシャツに、グレーのスウェットパンツ姿で、石鹸の香りがふわりと漂う。
「お待たせ」
そういってもう一度タオルでガシガシと髪の毛を拭くと、首にタオルをかけた。
「寝てたらどうしようかと思って、急いで入った。」
「寝ませんよ・・・。寝てても、起こしてくれたら。」
小沢が祐実の肩に手をかけ、軽く唇を合わせる。
「餃子のにおい・・・大丈夫ですか」
「二人で一緒に食べたから、気にならないんじゃない?」
再び唇を塞がれる。上唇、下唇を交互に吸い付かれ、祐実は唇を開く。舌が差し込まれて、祐実は小沢の腕に縋りつく。小沢の手が、祐実の髪の毛、耳、うなじをしっとりとなぞっていく。パジャマの上から、祐実の胸の形を確認するように触れる。
「下着、付けてないの」
「は、い・・・。もう、寝るだけだし・・・」
小沢はテレビのリモコンを手に取りスイッチを切る。
「このまま、ここでいい?・・・それとも、ベッドがいい?」
「・・・ベッドが、いいです・・・」
小沢は優しく微笑んで、祐実の手を引いて寝室のドアを開ける。
エアコンのスイッチを入れ、祐実をベッドの上に座らせると、肩に手を添えて耳元で囁いた。
「今日は、俺の好きにしていい?」
祐実は耳を押さえて小沢を見上げる。あのドラマで、主人公と相手役が2回目に結ばれるシーンの台詞だ。ドラマを見ながら、何度悶絶したことか・・・。
「もしかして、全部、見たんですか・・・?」
「まさか。ダイジェスト版みたいなのを少し見ただけだよ。」
小沢が微笑む。
「でも、今のは、俺の本音だよ。」
人差し指で軽く唇に触れると、Tシャツを脱ぎ捨てる。
「この前は、お互い久しぶりだったし、旅行先だったし・・・様子見ながらだったから。今日は、いっぱい、堪能したい。」
「堪能って・・・」
小沢は祐実の顔を両手で覆い、軽く口づける。
「あと、祐実がどういうのが好きか、ちゃんと探らないと。」
「探る?」
祐実は不思議そうに繰り返す。
「うん。」
祐実の頬を指でいとおしそうになぞる。
「祐実の感じるところ・・・たくさん、見つけたい。」
言い終わると同時に、唇を塞がれる。背中に手を回してぎゅっと強く抱き締められる。
「んん・・・」
背中に手を回して舌の動きに応えていると、無意識に声が出る。あっという間に着ているものを脱がされ、うなじに舌を這わされると、ぞくんとして嗚咽のような声が出る。
「ここ、弱いね。」
小沢が妖しく微笑んで、ちゅっと音を立てる。
「やっ・・・、だめ、そこ・・・」
そこに跡をつけられてしまうと、服を着ても見えてしまう。
「うん、わかってる・・・。ちょっとだけ、ね。」
軽く音を立てながら吸い付かれるたびに体が震えて声が出る。
「かわいい・・・、祐実。」
いつもより少し低い声が体に響き、何か奥底からせりあがってくる感覚がする。両胸を交互に弄ばれて目を潤ませ、息遣いが荒くなる。
小沢が祐実の足の間に指を滑らせ、水音を立てられると祐実は身をよじる。祐実が声を上げるところを観察しながら執拗に弄ぶ。
何度も追い詰められて、高揚した祐実の視線を察した小沢が避妊具をつけ、祐実のなかに入ってくる。ゆっくりと腰を動かしながら祐実の手をとり、指に口づける。その姿が妖艶で、祐実は自分がよりいっそう潤うのを自覚した。ゆっくりと、時間をかけて、体中に口づけられ、触れられて、快感がせり上げられていく。
「後ろから、していい?」
祐実は頷いて、促されるままに体勢を変える。
後ろから祐実の背骨に沿うように指で撫でつけ、そっと舌を這わせると、祐実がびくん、と体を揺らして声を上げる。
「んっ・・・」
「背中、感じる?」
背中に口づけながら、片手を祐実の胸に伸ばし、きゅっと摘むと、祐実が更に体をしならせて中を締め付け、大きな声が出る。
「はあっ・・・」
「気持ちいい、みたいだね・・・。」
小沢も一瞬顔をしかめ、祐実の背中に音を立てながら印をつける。
「後ろから、好き・・・?祐実。」
祐実は肩越しにうるんだ目で小沢を見る。
「やば、可愛い・・・。もっと、顔見せて。」
祐実の腕をとり、自分のほうに引き寄せて口づける。
「や、これ・・・」
「深いのが、好き?」
ゆっくりと、奥の方を探るように腰を動かされて、祐実は堪えるように瞳を閉じる。小沢の苦しそうな声がする。
「そんなに、締めるな・・・。」
「や、なにもしてな・・・」
祐実は言葉を無くす。下腹部の奥から、体中に何かが広がっていく感覚がした。
「や、なんか・・・だめ、です。もう・・・」
頭のなかが真っ白になって全身を硬直させた次の瞬間、体の力が抜け、小沢に抱えられながらベッドに倒れこむ。小沢はそのまま祐実の腰を抱えて、ゆっくりと動くたびに腰が跳ねる。祐実は声を出せないほどの波に打ち震えていると、だんだんと小沢の動きが早くなっていき、祐実の中の質量が増えるのがわかった。
「あ・・・」
強い刺激に祐実が目を見開くと、小沢が低いうめき声とともに動きを止めた。
二人とも、しっとりと汗をかいている。小沢は体を離して、息を整えながら見上げる祐実に口づけて、部屋を出る。炭酸水のペットボトルと新しいタオルを持ち、すぐに祐実の隣へ戻ってきた。タオルで汗を吸い取るように祐実の肌をやさしく拭う。
「少し、飲む?」
ペットボトルのフタを開けて祐実に差し出すと、祐実は上体を少し起こしてペットボトルを受け取り、二口ほど口に含んだ。
小沢はゴクゴクと喉を鳴らしながらペットボトルの水を半分ほどに減らし、ふぅ、と大きく息を吐くと、汗を拭き、再び祐実の隣に滑り込んだ。祐実は、枕に顔をうずめながら小沢を見上げる。
「大丈夫・・・?」
祐実の髪の毛を撫でながら、小沢が祐実を気遣う。祐実が恥じらいながら頷くと、小沢は優しく微笑む。
「少しだけ、わかったかな・・・。祐実の、弱いところ。」
そういいながら、祐実のうなじにそっと指を這わせる。祐実はびくっと体を震わせてしまう。
「もお・・・。」
「ほかにも、あるけど。」
小沢が祐実の背中に手を伸ばす。
「今日は、俺の好きにする、っていったよね。」
祐実は慌てて小沢を見る。
「・・・まだ、足りない。」
「足りない・・・?」
「明日は休みだし、休憩しながら、ゆっくり、しよ。」
休憩といいながら、体を起こし祐実の耳朶に口づける。・・・結局、一晩で3回も、抱かれることになった。
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