打ち切りは許しません

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「確認ですが、あなたはあの大人気漫画【Z】の作者の樫野環(かしのたまき)先生でお間違いないですか?」 「はい」 「うわぁ! 感激です。この度は【世界を揺るがす漫画グランプリ】最優秀賞受賞おめでとうございます」 「ありがとうございます」 「憧れの先生にお会い出来て嬉しいです。ていうか、当たり前だけど存在するんですね」 「そりゃ僕だって人間ですから。存在しますよ」 「先生の漫画楽しみに読ませてもらってます。ハラハラする展開から泣ける場面や笑える場面まで凝縮されていて【Z】は自分にとって生きる糧です! ていうか底なし沼です!」 「光栄ですね。そこまで称賛されるとなんだかお恥ずかしい」 「最終回とか結末はもう決められてるんですか?」 「はい。今から読者の方の反応が楽しみです」 「うわぁ、やっぱり最後は用意されてるんですね。今から【Z】ロスに陥りそうで不安です……」 「こちらも誰もが納得してくれる最終回を描けるかどうかプレッシャーではありますね」 「アニメに舞台化ときて、ついにハリウッド映画になってしまうなんて勢いが止まりませんね!」 「そうですね。自分でもあれよあれよと事が運ばれていって驚いています」 「ちょっとゲスい話になるんですが……やっぱすごいお金が入ってくるんですよね。使い道とか決めてます?」 「まあ、そうですね……大事に使わせていただきます」 「困らせる質問してすいません。いやぁ、本人目の前にしているとどんな質問していいのかわからなくなっちゃいますね」 「そうですか。それではこちらから質問してもよろしいですか」 「あ、はい! 先生から質問なんて緊張しちゃいますね! なんでしょう」 「先程から気になっていたんですが……」  あなたはオートロックの僕の家の中にどうやって入ったんですか?
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