スマイル100万円!

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 満員電車ですし詰め状態でも、にっこり笑顔でいられる。  ふと、横にいるサラリーマン風の男性の肘が軽く当たった。  なんだかゴソゴソやっているな。  そう思って、そちらを見て、俺は気づいてしまった。  隣のサラリーマン風の男、前にいる女性のお尻を触っているのだ。  見間違いではない。  しかも「やめてください」と小さく女性の声も聞こえてくる。  俺はもう耐えきれなくなった。  無抵抗の女性になんてことをするんだ!  拳をグッと握ってから、ハッとする。  ここで怒ってしまえば、俺の貯金は0になってしまう。  今まで怒りをぐっとこらえて、言い返したい気持ちも愚痴りたい気持ちもすべて抑えてきたんだ。  それなのに、ここですべてをなしにしてしまうのか。  100万円だぞ。  だけど、痴漢はやめる気配はない。  それどころか女性のスカートに手を入れようとしている。  俺はぐっと歯を食いしばった。
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