4人が本棚に入れています
本棚に追加
満員電車ですし詰め状態でも、にっこり笑顔でいられる。
ふと、横にいるサラリーマン風の男性の肘が軽く当たった。
なんだかゴソゴソやっているな。
そう思って、そちらを見て、俺は気づいてしまった。
隣のサラリーマン風の男、前にいる女性のお尻を触っているのだ。
見間違いではない。
しかも「やめてください」と小さく女性の声も聞こえてくる。
俺はもう耐えきれなくなった。
無抵抗の女性になんてことをするんだ!
拳をグッと握ってから、ハッとする。
ここで怒ってしまえば、俺の貯金は0になってしまう。
今まで怒りをぐっとこらえて、言い返したい気持ちも愚痴りたい気持ちもすべて抑えてきたんだ。
それなのに、ここですべてをなしにしてしまうのか。
100万円だぞ。
だけど、痴漢はやめる気配はない。
それどころか女性のスカートに手を入れようとしている。
俺はぐっと歯を食いしばった。
最初のコメントを投稿しよう!