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再び観光散歩に繰り出し、道を歩いていて気づいたことを菊池に尋ねる。
「ふと思ったんだが、この村はなんというか、女性が多くはないか?」
田畑で作業をしている者の多数派が女性であることが気にかかっていたのだった。
「そうだな、この村は全体的に女性の割合の方が高いと思う。理由は考えたこともないけど。」
菊池が表情を変えずそれを肯定した。不思議な村もあるものだと思ったが、もしかしたら集落や村というのは得てしてそうなのかもしれない。
「見えてきたぞ。」
村の中央部へ向かってしばらく歩くと、木造の真新しい建物が見えてきた。壁は白塗りで、何人かの子供たちが外を走り回っていた。
「こんにちはー!」
菊池が大声で挨拶をしながら昔ながらのガラス引き戸を開ける。ガラガラと音を立てて扉が開くと、玄関にはいくつか靴があったので、若干の緊張を感じながらもワクワクしながら建物に入った。
「んん?おお、タカちゃんか。檜山さんから話は聞いてるよ。その2人がお友達かい?」
大きな部屋に出ると、四角く細長い机を並べた1番奥の机の真ん中に座る老人が、滑らかな標準語で俺たちに話しかけた。他にも合計10数人の村人らしき人物が座って談笑していたが、老人が話しかけると、皆こちらを向いて歓迎の挨拶をしてくれた。全員がかなりフレンドリーで、すぐに打ち解けることが出来た。
初めに俺たちに話しかけたのは、少なくなった白髪をワックスでまとめた村長の千葉敬であり、齋藤さんの話通り祭りで大きな役割を担う1人だそうで、なんとあと数年で齢3桁というところらしい。フレンドリーな村人たちの中でも群を抜いてフレンドリーな性格で、気さくに俺たちに話しかけてくれ、俺たちが村の人たちと馴染むのに大きく貢献してくれた。
同年代と思われる少女数人が急いで俺たちの分のお茶を運んできて、若干後ろめたい気持ちになりつつも受け取った。それは広谷や菊池も同じようだった。
やはりここも女性の方が多く、奥のテーブルに座る3人は男であるが、ほかの机は全て女性の方が多かった。俺たちは入口側にある椅子を空けてもらい座った。そして、祭りのことについてだけでなく、様々な話を村の面々から聞いたのだった。
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