ヤンキー君×アニメちゃん=??

10/11
前へ
/113ページ
次へ
「亜衣っ…!?」 鬼島君の戸惑う声が上から聞こえる。 私らしくない行動だと思った。 自分で自分にビックリしてる。 だけど、ちゃんと伝えたいって思ったから。 ちゃんと私の声で。 そっと顔を上げて鬼島君を見た───。 「大好き」 いつもみたいな小さな声じゃなくて、しっかり はっきり声に出す。 相変わらずドキドキはおさまらないし、恥ずかしくて顔は熱いしで大変なことになってる。 だけど声に出したら妙にすっきりしたような そんな気持ちになった。 突然のことに驚いたのか鬼島君は一瞬ポカンとして たけど、急にはぁっと息をついたと思ったらぐっと 頭に手を回される。 「だから、その声でそういうこと言うのは 駄目だろ。」 「…なんで?」 ゆっくりと距離を縮めてきた鬼島君は、唇が触れる 直前にポツリと呟いた。 「可愛い過ぎるからだ。」 …その"可愛い"は声のことだけじゃないって 思っていいんだよね? そんな私の疑問は鬼島君のキスに消えた。
/113ページ

最初のコメントを投稿しよう!

20人が本棚に入れています
本棚に追加