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かと言って顔を上げることも出来ない。
臆病な自分に嫌気が差す。
「そっか。
また今度ね。」
なんて優しい子なんだろう。
無視をしてしまったのに"また今度"なんて言って
くれた。
「…あっ。」
バッと勢いよく顔を上げたのと同時に声を出して
呼び止めようとするけど、まるで何かがつっかえて
いるみたいに言葉は出てこない。
もうその子の姿は教室から消えていた。
その子だけじゃなくて、放課後のこの教室には
私だけしか残って居ない。
「はぁ。」
新学期を迎えてクラスが替わったところで、私には
何の意味もない。
だって結局、私が変わらないと意味がないから。
でも、世の中には変えられるものと変えられない
ものがある。
そして私が悩んでいるのは、変えられないものの
方なんだから仕方ない。
私…日下部亜衣(くさかべ あい)は
ぼっちを拗らせてます。
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